更新日:
2022年10月27日(木)

【ごあいさつ②】SCOPで叶えられる、富山の暮らし。

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SCOP TOYAMA(以下 SCOP)は、2017年の建築甲子園で全国優勝した富山工業高校生のプランがベースとなった全国でも珍しい職住一体の施設です。プロジェクトの発足当初から話題と注目を集めてきたSCOPが、いよいよ2022年10月28日にオープンします。
今回はSCOPの最大の特徴である「住」にスポットを当て、SCOPの暮らしについて シェアライフ富山の姫野さんにお話しを伺いました。
SCOP TOYAMA
シェアライフ富山代表 姫野泰尚
富山県富山市出身。2009年オーストラリアより帰国後、地元不動産会社にUターン就職。同年、県内初のシェアハウスを市内にオープン。2014年、在職中に『合同会社シェアライフ富山』設立、当時シェアハウス5棟運営。2015年富山市に交流型ゲストハウス縁〜えにし〜開業と同時に独立。2017年「富山市ヤングカンパニー大賞」を受賞。県内を中心に多世代共生富山型シェアハウスを展開。

ーSCOPには異なる特色をもつ創業・移住促進住宅が配置されているとのことですが、ふたつの住居棟のコンセプトを分けたのはなぜですか?

姫野:西棟と東棟のふたつの創業・移住促進住宅は、間取りはさまざまですがシェアハウス・アパートメントの構成や部屋数はほとんど同じです。明確にコンセプトを分けたのは、考え方やライフスタイルができるだけ似ている人たちが集まって暮らすことで、それぞれの住居を「自分の居場所」と感じてもらいやすくするためです。また、異なる特色をもつコミュニティの魅力を持つことによって、互いのシェアメイトたちを誘ってもう一つのコミュニティに遊びに行く、といったような両棟間でのポジティブな行き来が生まれると考えました。


ー西棟・東棟それぞれにシェアハウスとアパートメントが備わっているのも面白いですね。

姫野:シェアハウスは富山工業高校生が考えたプランの中にもともとあったものですが、アパートメントは多様なライフスタイルを選択できるように県での設計段階で取り込まれたようです。選択肢がある分、入居の際の最初のヒアリングが大切になります。ヒアリングを通して、暮らしのコンセプトに共感した仲間がそれぞれの住居棟に集まることになります。コミュニティづくりの第一歩は、ヒアリングから始まっていると言えますね。

SCOP TOYAMA

ー選択の幅があるのは嬉しいですね。まずは西棟で叶えられる暮らしについて教えてください。

姫野:西棟は、仕事を中心に毎日の生活をより快適に暮らしたいという方におすすめです。創業している人に限らず、最近は企業に勤めている人でも場所に囚われずにパソコン一台で自由に働けるライフスタイルの方が増えてきていますよね。西棟の暮らしでは、朝は各々のタイミングで起きてきて、リビングでは朝食を食べている人もいればパソコンに向かっている人もいると思います。今日はどこで作業をしようかなという選択から始まって、SCOPの中で一日が完結することもよくあるというイメージですね。


ー創業支援センター内のコワーキングとの相乗効果はどのようにお考えですか?

姫野:西棟の家賃の中には、創業支援センター内のコワーキングスペースの利用料が含まれています。コワーキングスペースではいろいろな業種の人たちと交流ができるので、SCOPの施設内だけでも環境や気分を変えて働くことができます。職住一体の施設だからこそ生まれる、暮らしの中に溢れている課題を解決する新しい事業アイディアが出てくるかもしれませんね。


ー西棟はSCOPの最大の特徴“職住一体”を最も感じられる暮らしを送ることができそうですね。一方、東棟はいかがでしょうか?

姫野:東棟は、仕事よりも暮らしにフォーカスしています。SCOPには移住促進の要素もあるので、地域の人も県外の人も共に暮らすことで富山の暮らしや文化を感じられるような場所にしたいと考えています。多様な人たちが暮らしの中でコミュニティを育んでいく“コレクティブハウス”をコンセプトにしています。朝はだいたい同じような時間帯にみんなが起きてきてキッチンが賑わい食卓を囲み、「いってきます」「いってらっしゃい」の会話から一日が始まります。夕方くらいから徐々に人が帰ってきて、夕食を一緒に準備したりおかずのおすそ分けをしたりというイメージです。月に一回、住人のみんながリビングに集まって食卓を囲む“コモンミール”を設けたいと考えています。

SCOP TOYAMA

ーみんなでリビングやキッチンを囲む賑やかな暮らしが想像できますね。コレクティブハウスという言葉を初めて知りました。新しい試みなのでしょうか。

姫野:コレクティブハウスは僕が富山で実現したかった住まいのカタチです。日本ではあまり馴染みのない言葉ですが、歴史はシェアハウスよりも長いそうです。

・シェアハウス:住人それぞれの個室がある。水回りやリビングはみんなで共有する。
・コレクティブハウス:個室には水回りが全て備わっている。共用のリビングやキッチンもある。

姫野:僕が東京で見たコレクティブハウスでは、家族と学生とおじいちゃんとおばあちゃん、そして子供たちが共同生活をしていて、一緒に食卓を囲んでいました。独立した専用の住居を持ちながらも、リビングに出れば賑やかな空間をみんなで共有できます。おじいちゃんとおばあちゃんは走り回る子供たちから元気をもらえて、家族は子育ての手助けに繋がりますよね。リビングは大切な場所になってくるので、運営メンバーやシェアメイトたちと共に時間をかけてじっくりと理想の空間を作り上げていきたいと思います。


ーそれぞれの住居棟にコミュニティマネージャーがいるのも特徴的ですね。コミュニティーマネージャーはどんな役割を担うのですか?

姫野:みんなの生活をより良くしていくために影で汗をかく役割だと考えています。頼れるリーダーというよりも、コミュニティを俯瞰できる存在です。入居者の一人として、みんなと一緒にコミュニティづくりを働きかけていきます。

SCOP TOYAMA

ー新しいアイディアと挑戦に溢れた住居になりますね。SCOPの暮らしを多くの人に選んでもらえるといいですね。

姫野:いろんな要素が備わっているSCOPも、数ある暮らしの受け皿のうちのひとつだと思っています。これまでにたくさんのシェアハウスを運営してきた中で、誰もが居心地がいい万能なコミュニティはないと感じています。住んでいる人たちが自然とその場所らしいコミュニティを生み出していくんですよね。共同生活の中に身を置きたい、だれかと場所や時間を共有していくことで何かを得たいという人たちが問い合わせてくれたときに、僕たちが提案できる選択肢の中で、SCOPも含めてひとりひとりに合ったコミュニティを見つけるお手伝いが出来たらいいなと思います。ぜひお気軽にお問い合わせください。


次回は、SCOPが叶えたい創業支援についてお届けします。


文:徳田琴絵(富山オタクことちゃん)

写真:北條巧磨