更新日:
2023年4月26日(水)

【Vol.04】創業ライブラリー ~先輩起業家に聴く!7QESTIONs~ひつじの 中村 千賀さん

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こんにちは!SCOP TOYAMA/創業応援プロジェクトBizHikeです。

創業応援プロジェクトBizHike(ビズハイク)は、

創業を志し実践する人たちが、その道を「ひとりにならず、みんなで歩む」ことができる環境

を提供すべく誕生しました。

※BizHikeって何?という方はこちらをご覧ください

創業経験者のリアルストーリーを読める記事コンテンツ「創業ライブラリー」。出演してくださっている方は、自らもチャレンジの最中でありながら、その経験を惜しみなく「シェア」してくださる方々です。様々なストーリーに触れることで、視野を広げ、歩みを進める勇気を得られるようなコンテンツになればと願っています。


【Vol.04】創業ライブラリ ~先輩起業家に聴く!7QESTIONs~

創業には、さまざまなカタチがあります。最も大切なことは、継続していくこと。
創業の最初の一歩目から現在まで、どのように事業を継続してきたのか。県内の先輩創業者ひとりひとりの創業のカタチに触れていきましょう!

今回ご紹介するのは、SCOP TOYAMAのチャレンジショップで手織りの毛織物のお店を出店されている中村 千賀さんです。

Q:現在のお仕事を始めたきっかけは?


A:学生時代に「ひつじ」に出会ったことがきっかけでした

畜産大学でSHEEP CLUBというサークルに入った時に、ひつじの毛を扱う機会があり、その魅力に触れたことがきっかけです。昔から人間の暮らしを支えてきた動物で、毛を衣服や家具、道具などに使うほか、肉や乳製品としても利用されます。私自身はその中でも羊毛加工が特に気に入り、多面的に活用できる動物に興味を持ちました。
当初、私はひつじを育てる仕事に就きたいと考えていましたが、女性としては肉体労働がハードで、長期的に続けるのは難しいと判断しました。そこで、毛を扱う仕事に転向し、畜産大学卒業後は染色や織りの技術を磨くため、京都の織物の専門学校に入学しました。

「ひつじの」の店頭にある糸車。これで羊毛から糸を作ります

Q:創業の一歩目を踏み出した時のことを教えてください。


A:SCOP TOYAMAの存在を知ったことがきっかけでした
その後、作家として活動する道もありましたが、結婚した後は専業主婦として家庭を支えることを優先しました。
その間も、いつか「ひつじ」に関する仕事にすることを夢見ていました。たまに市民プラザなどでマフラーやストールなどを製作し、販売するなど、小さな活動をしていましたが、本格的に得意なことを仕事にしたいという思いが強まり、2022年には、SCOP TOYAMAという施設の存在を知ったことをきっかけに、動き始めました。

何かの教室を始めるなど、さまざまなビジネスモデルが考えられましたが、まずは「ひつじの魅力を知ってもらう」ということを目的に、手軽に楽しめる小物を製作し、販売することを決めました。

ワークショップでは糸を紡ぐ体験もできます。

Q:創業をする上で、大変だったことは?どうクリアしましたか?


A:創業という事に馴染みがなく、全てが初めてのチャレンジでした
私は両親ともに公務員の家系で育ち、私自身も商売の経験は全くありませんでした。開業に伴う事務作業や手続き、販路開拓など全てが初めての連続で、創業前からネットで調べたりしながら、行政の相談窓口を活用して必要な手続きを進めたり、アドバイスを受けたりと一歩ずつ進めてきました。

また、手作りの作品を売るということを決めたものの、店頭に並べられるだけの商品を揃えるのも大変でした。実家に専用の織り機などの機材を備え、日々製作にあたっています。

「ひつじの」の店頭にある小型の織り機

Q:最初の販路をどのように見出しましたか?


A:小さな場で商品を売るところからスタートしました
手作りのマフラーやストールなどを市民プラザの手作りイベントで販売したのが最初に商品を売った経験でした。SCOP TOYAMAでは、オープンのタイミングで取材をして頂いたりもしましたが、店舗としてはインスタグラムなどにもトライしながら、認知拡大のために日々頑張っています。

Q:事業を継続していく上で大切にしていることは?


A:自分が楽しんで取り組むこと
事業を全て自分でやるというのは大変な部分もありますが、全て自分で決められるので「とても楽しい」と感じています。結婚式の演出などを自分で決めるのがとても楽しかったことを思い出しました笑
家族にも応援してもらえているので、この仕事をすることを楽しめている自分でいたいなと思っています。

自然素材を使った超小型織り機の試作品

Q:これからどのような展開をしていきたいですか?


A:染色の技術を活かした色の表現と、贈り物としての商品展開
染色をすることが好きで、自分なりに色のこだわりがあります。ひつじの毛に染色して、オリジナルの配色を使った商品を作り、広めていきたいです。また、ひつじという自然なものを使った膝掛けやおくるみは、人を包み込む特別な温かさがあると思っています。ぜひギフトとして贈っていただけるような魅力のある商品を作っていきたいと考えています。

さまざまな体験も可能です

Q:これから創業を目指すみなさんへのアドバイスをお願いします!


A:自分がやりたいことを、言葉に出すこと/やりたいことを貯めておくこと
アドバイスの一つ目は、言葉に出すことです。人に話すことで、自分の頭が整理されることもあり、実現に近づいていくと思います。
二つ目は、焦らずに、やりたいことを引き出しに少しずつ貯めていくことが大切だと思っています。 私の場合も、最初に「やりたいな」と思ってから、20年経っています。その間専門学校に行ったり、教えられる資格をとったり、興味のあること、好きなことを少しずつ貯めてきました。

そして、「いつかは使えるかな」と思っていたものを世に出すことができるチャンスが、急にやってきました。先に始めた人を見てすごいな、という気持ちも湧いてくることもあるかもしれないですが、時が来たら自分でもできるはず。自分の考えられる範囲で良いので、ぜひ焦らずに準備をしてみてほしいです。


=編集後記=

お話を伺っていて、「ひつじの」は単に羊毛製品を扱う雑貨屋さんではなく、「ひつじ」の魅力を感じられる作品を通して「人を想う温かい心」にふれる場所なのだなと感じました。お店が空いている日は週に2回ですが、その他の日は大型の織り機で丁寧に作品作りをされている中村さん。
今後、どのような作品を作れば「使ってくれる人が喜んでくれるか」ということを日々考え、チャレンジショップでの事業に取り組まれています。ぜひSCOP TOYAMAにお越しの際は、「ひつじの」にお立ち寄りください!

ひつじの

営業時間
水曜10:00〜15:00/土曜10:00〜17:00の週2回開店。
休業日
毎週月・火・木・金・日曜日
WEB/SNS
https://hitsujino.jimdofree.com/
場所
SCOP TOYAMA 創業支援センター1F チャレンジショップ