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【ごあいさつ③】SCOPが叶えたい、創業支援。
【ごあいさつ③】SCOPが叶えたい、創業支援。
SCOP TOYAMA(以下 SCOP)は、2017年の建築甲子園で全国優勝した富山工業高校生のプランがベースとなった全国でも珍しい職住一体の施設です。プロジェクトの発足当初から話題と注目を集めてきたSCOPが、いよいよ2022年10月28日にオープンします。 今回は、SCOPが取り組んでいく創業支援について plan-A合同会社の相澤さんと田中さん、富山県庁創業・ベンチャー課の山本さんの3名にお話しを伺いました。 左から相澤さん、田中さん、山本さん ー富山における創業の風土について、印象を教えてください。 相澤:北陸は保守的だと耳にしていたのですが、私は富山で保守的なイメージは感じられなかったです。変わらないといけないなという意識はあるけど、どうしたらいいのかを知る機会が少ないのかもしれないですね。自分たちの生活を大きく変えなくとも、少しずつポジティブに開拓して選択肢を広げていく余地がたくさんあるなと思います。 合同会社plan-A TOYAMA代表 相澤毅 大手生活ブランド勤務を経て前職ではデベロッパーにて社長室に所属し不動産開発から海外事業におけるスキーム構築・広報P R・販売戦略・広告クリエイティブ・ブランディング・新規事業企画・商品開発・人材育成制度構築・産学連携など手がけ、2018年5月に独立起業。現在は不動産事業者や大手家電メーカーのコンサル、企業の事業開発参画、不動産開発事業、場のプロデュース、拠点運営、自治体とのまちづくりや創業支援、企業の取締役や顧問、NPO法人の理事等を手がけ、多様な働き方を実践している。 山本:“創業”という選択肢がなかなか挙がってこない地域性があると思っています。富山は製造業や製薬業が地域の経済を支えてきたという歴史があり、有効求人倍率が全国平均よりも高くなっています。安定した雇用があり卒業したら就職することが一般的で、起業するという選択や新しいことをしようという考え方にあまり馴染みがないのかなと感じています。 富山県創業・ベンチャー課 山本航大 富山県富山市生まれ。東京で民間企業に7年勤務したのち、今後の暮らし方を考え富山にUターン。2021年より富山県庁に入庁し、創業・ベンチャー課で起業支援事業に従事する。同時に公民連携を学びつつ、有志と共にとやま都市経営実行委員会を設立して、県庁前公園で「ケンチョウマルシェ」を開催。 相澤:富山はとても安定している印象があります。地域のリサーチを重ねている中でやはり製造業が強みだということが顕著に分かりました。しかし、安定しているけれども柔軟ではないという印象です。製造業は大きな拠点を構えているだけに、万が一の事態で拠点を撤退せざるを得なくなったときに企業に紐づいたエリアの雇用が失われがちという事例も日本各地で起こっています。雇用に困る人たちが多く現れるということは、地域の経済にとって大きなダメージになりますよね。平和で安定しているうちに第二、第三の自分の人生のレールをひとりひとりがイメージできるようになるといいなと思います。 田中:“創業”という言葉は、人によっていろんなイメージがあると思うんですよね。例えば「まだ世の中にない新たなサービスを生み出す」とか、「大きな事業を興して世界へ羽ばたく」など、何か大きなことを成し遂げることを想像する方もいるかもしれません。もちろんそれもすごいことですが、例えば「何か自分ができることで人を助ける、喜んでもらう」というのも立派な創業の一つだと思います。どんな規模の創業であっても、大切なことは「まず一歩を踏み出すこと」そして「継続していくこと」。大きな事業でも意外と最初はひとりで始まっていたりもしますし、一歩踏み出し、色々あっても継続することで少しずつ成果が生まれていく。そのためにもまずは”創業”というものに触れる機会を増やし、「自分でもできるかも!」と思ってもらえる機会を提供できたら嬉しいです。SCOPを通して創業へのイメージの解像度を高めていきたいですね。 合同会社plan-A TOYAMA 田中優子 飲食業、ホテル等のサービス業を経て不動産デベロッパーに転職。営業、市場調査、マーケティング、商品企画、ブランディング、PR、新規事業など一連の業務に携わり2021年1月に独立。会社員時代から個人向けのサポート事業を複数創業した経験を持つ。現在は東京を拠点に複数のチームに属し事業伴走を行うかたわら、ビジネスパーソン向けスクールの立ち上げ、企画、運営等にも携わる。子育てや会社員をしながら個として活動する経験をもとに、セカンドキャリアの支援も行っている。 ーSCOPの創業支援センターはどんな場所ですか? 相澤:SCOPの創業支援センターには、いろんな事業の規模の人たちが交流できて刺激を受け合える環境が備わっています。3階のセミオープンのシェアオフィスは、コミュニケーションをとりながら仕事をしたいという人たちが入居するイメージです。事業をつくりあげていくときは、ひとりよりも誰かがいてくれる空気感があるだけでも支えられるんですよね。事業規模が大きくなって人数が増えれば、4階の個室オフィスを借りるといったように施設内でステップアップしていけます。1階には共用のダイニングキッチンがあります。一区切りついたときに気分転換にキッチンに来て挨拶を交わしたり会話を楽しんだり、キッチンが交流を誘発するための鍵になると思っています。 田中:オフィスの入居だけでなく、チャレンジショップを利用してみたり、セミナーを開催してみたり。小さく試せるチャンスがSCOPには備わっています。いまは明確ではなかったとしても、コワーキングスペースの利用やイベントに参加していくうちに、自分のやりたいことが見つかる人もいるかもしれません。そういう関わりのなかで、創業し、事業を続けていく人が一人でも増えたらいいなと思います。また、自分が創業しなくても、SCOPで出会った志のある人たちを応援する側になっていくという関係性も生まれたら嬉しいですね。共に創業を応援する文化を築き上げていきたいです。 ー創業支援はどのように取り組んでいくのですか? 田中:何か新しいことを始めたいと思ったときの入口となるような支援を行っていきます。SCOPに全ての創業支援サービスが備わっているわけではなく、また県内にはすでにいくつかの創業支援サービスがあります。SCOPが窓口となってご紹介したり、一緒にワークショップを開催したりという連携を定期的に続けていきたいと考えています。 山本:連携ができていないまま県内に創業支援の窓口がたくさん見えすぎて、結果的にうまく情報を得られないということが起きてしまってはもったいないですよね。県内各地の創業支援サービスを、SCOPがハブの役割を担って届けられるようにしていきたいです。 相澤:着実にプロジェクトを進めていくことで、県内外からいろんな人たちに足を運んでもらえる施設になっていくと思います。時間はかかるけれども、絶対に良い施設になっていく確信があります。 田中:拠点があっても人が関わらないことには何のアクションも起こりません。人と人が交わることで新しい何かが見つかる“小さな火種”を生み出せる機会づくりを、私たちが応援していきたいです。今すぐアクションを起こす人はもちろん、いつかは創業をしてみたいという方にも、ライフステージのどこかで創業するという選択肢もあるということに気づいてもらえたら嬉しいです。 ーSCOPをどんな場所にしていきたいですか? 相澤:SCOPと東京の創業支援施設が根本的に違うのは「暮らし」がある場所だということです。熱量が集まる場所というよりも、居心地が良い場所にすることが最優先になると思っています。穏やかなモチベーションを維持できる環境をつくっていきたいです。そして、暮らしや仕事の選択肢を用意できる環境が、SCOPの未来にあったらいいなと思います。 田中:「富山は創業のロードマップがとてもわかりやすい!」と感じてもらえるような拠点になっていけるといいですね。創業している人だけでなく、創業を応援している人もどんどん紹介するような発信を考えていますが、このような取り組みが誰かにとっての“気づきの種”になると嬉しいです。 相澤:創業する人にばかり光が当たり続けていて、応援する側の人たちが疲弊していってしまうとサスティナブルではないですよね。そのうちにどちらも息切れをしてしまっては、誰も幸せになれません。応援する側の人たちにも光を当てて継続的に関わっていけるような環境をつくっていくことがみんなの幸せに繋がるのではないかと思います。 3部作にわたって運営のみなさんの想いをお伝えしました。 暮らしと仕事の選択肢の幅が広がる“気づきの種”が、SCOPを拠点に富山全体へと少しずつ芽吹いていきますように。 文:徳田琴絵(富山オタクことちゃん) 写真:北條巧磨
【ごあいさつ②】SCOPで叶えられる、富山の暮らし。
【ごあいさつ②】SCOPで叶えられる、富山の暮らし。
SCOP TOYAMA(以下 SCOP)は、2017年の建築甲子園で全国優勝した富山工業高校生のプランがベースとなった全国でも珍しい職住一体の施設です。プロジェクトの発足当初から話題と注目を集めてきたSCOPが、いよいよ2022年10月28日にオープンします。 今回はSCOPの最大の特徴である「住」にスポットを当て、SCOPの暮らしについて シェアライフ富山の姫野さんにお話しを伺いました。 シェアライフ富山代表 姫野泰尚 富山県富山市出身。2009年オーストラリアより帰国後、地元不動産会社にUターン就職。同年、県内初のシェアハウスを市内にオープン。2014年、在職中に『合同会社シェアライフ富山』設立、当時シェアハウス5棟運営。2015年富山市に交流型ゲストハウス縁〜えにし〜開業と同時に独立。2017年「富山市ヤングカンパニー大賞」を受賞。県内を中心に多世代共生富山型シェアハウスを展開。 ーSCOPには異なる特色をもつ創業・移住促進住宅が配置されているとのことですが、ふたつの住居棟のコンセプトを分けたのはなぜですか? 姫野:西棟と東棟のふたつの創業・移住促進住宅は、間取りはさまざまですがシェアハウス・アパートメントの構成や部屋数はほとんど同じです。明確にコンセプトを分けたのは、考え方やライフスタイルができるだけ似ている人たちが集まって暮らすことで、それぞれの住居を「自分の居場所」と感じてもらいやすくするためです。また、異なる特色をもつコミュニティの魅力を持つことによって、互いのシェアメイトたちを誘ってもう一つのコミュニティに遊びに行く、といったような両棟間でのポジティブな行き来が生まれると考えました。 ー西棟・東棟それぞれにシェアハウスとアパートメントが備わっているのも面白いですね。 姫野:シェアハウスは富山工業高校生が考えたプランの中にもともとあったものですが、アパートメントは多様なライフスタイルを選択できるように県での設計段階で取り込まれたようです。選択肢がある分、入居の際の最初のヒアリングが大切になります。ヒアリングを通して、暮らしのコンセプトに共感した仲間がそれぞれの住居棟に集まることになります。コミュニティづくりの第一歩は、ヒアリングから始まっていると言えますね。 ー選択の幅があるのは嬉しいですね。まずは西棟で叶えられる暮らしについて教えてください。 姫野:西棟は、仕事を中心に毎日の生活をより快適に暮らしたいという方におすすめです。創業している人に限らず、最近は企業に勤めている人でも場所に囚われずにパソコン一台で自由に働けるライフスタイルの方が増えてきていますよね。西棟の暮らしでは、朝は各々のタイミングで起きてきて、リビングでは朝食を食べている人もいればパソコンに向かっている人もいると思います。今日はどこで作業をしようかなという選択から始まって、SCOPの中で一日が完結することもよくあるというイメージですね。 ー創業支援センター内のコワーキングとの相乗効果はどのようにお考えですか? 姫野:西棟の家賃の中には、創業支援センター内のコワーキングスペースの利用料が含まれています。コワーキングスペースではいろいろな業種の人たちと交流ができるので、SCOPの施設内だけでも環境や気分を変えて働くことができます。職住一体の施設だからこそ生まれる、暮らしの中に溢れている課題を解決する新しい事業アイディアが出てくるかもしれませんね。 ー西棟はSCOPの最大の特徴“職住一体”を最も感じられる暮らしを送ることができそうですね。一方、東棟はいかがでしょうか? 姫野:東棟は、仕事よりも暮らしにフォーカスしています。SCOPには移住促進の要素もあるので、地域の人も県外の人も共に暮らすことで富山の暮らしや文化を感じられるような場所にしたいと考えています。多様な人たちが暮らしの中でコミュニティを育んでいく“コレクティブハウス”をコンセプトにしています。朝はだいたい同じような時間帯にみんなが起きてきてキッチンが賑わい食卓を囲み、「いってきます」「いってらっしゃい」の会話から一日が始まります。夕方くらいから徐々に人が帰ってきて、夕食を一緒に準備したりおかずのおすそ分けをしたりというイメージです。月に一回、住人のみんながリビングに集まって食卓を囲む“コモンミール”を設けたいと考えています。 ーみんなでリビングやキッチンを囲む賑やかな暮らしが想像できますね。コレクティブハウスという言葉を初めて知りました。新しい試みなのでしょうか。 姫野:コレクティブハウスは僕が富山で実現したかった住まいのカタチです。日本ではあまり馴染みのない言葉ですが、歴史はシェアハウスよりも長いそうです。 ・シェアハウス:住人それぞれの個室がある。水回りやリビングはみんなで共有する。 ・コレクティブハウス:個室には水回りが全て備わっている。共用のリビングやキッチンもある。 姫野:僕が東京で見たコレクティブハウスでは、家族と学生とおじいちゃんとおばあちゃん、そして子供たちが共同生活をしていて、一緒に食卓を囲んでいました。独立した専用の住居を持ちながらも、リビングに出れば賑やかな空間をみんなで共有できます。おじいちゃんとおばあちゃんは走り回る子供たちから元気をもらえて、家族は子育ての手助けに繋がりますよね。リビングは大切な場所になってくるので、運営メンバーやシェアメイトたちと共に時間をかけてじっくりと理想の空間を作り上げていきたいと思います。 ーそれぞれの住居棟にコミュニティマネージャーがいるのも特徴的ですね。コミュニティーマネージャーはどんな役割を担うのですか? 姫野:みんなの生活をより良くしていくために影で汗をかく役割だと考えています。頼れるリーダーというよりも、コミュニティを俯瞰できる存在です。入居者の一人として、みんなと一緒にコミュニティづくりを働きかけていきます。 ー新しいアイディアと挑戦に溢れた住居になりますね。SCOPの暮らしを多くの人に選んでもらえるといいですね。 姫野:いろんな要素が備わっているSCOPも、数ある暮らしの受け皿のうちのひとつだと思っています。これまでにたくさんのシェアハウスを運営してきた中で、誰もが居心地がいい万能なコミュニティはないと感じています。住んでいる人たちが自然とその場所らしいコミュニティを生み出していくんですよね。共同生活の中に身を置きたい、だれかと場所や時間を共有していくことで何かを得たいという人たちが問い合わせてくれたときに、僕たちが提案できる選択肢の中で、SCOPも含めてひとりひとりに合ったコミュニティを見つけるお手伝いが出来たらいいなと思います。ぜひお気軽にお問い合わせください。 次回は、SCOPが叶えたい創業支援についてお届けします。 文:徳田琴絵(富山オタクことちゃん) 写真:北條巧磨
【ごあいさつ①】初めまして!SCOP TOYAMAの「中の人」です。
【ごあいさつ①】初めまして!SCOP TOYAMAの「中の人」です。
SCOP TOYAMA(以下 SCOP)は、2017年の建築甲子園で全国優勝した富山工業高校生のプランがベースとなった全国でも珍しい職住一体の施設です。プロジェクトの発足当初から話題と注目を集めてきたSCOPが、いよいよ2022年10月28日にオープンします。 施設の概要は公開されつつあるけれど、一体どんな人たちがどんな想いでプロジェクトを進めてきたのでしょう?今回は運営を務める 株式会社バロン 浅野さん、シェアライフ富山 姫野さん、合同会社plan-A 相澤さん、富山県庁創業・ベンチャー課の野村さんと山本さんの5名にお話しを伺いました。 左から山本さん・姫野さん・相澤さん・浅野さん・野村さん ーSCOPの運営は、県内外から3つの会社が肩を組み結成した「蓮町創業支援拠点運営共同体」が進めていくということですが、みなさんがSCOPプロジェクトへ参画したときのお気持ちを教えてください。 姫野:シェアライフ富山にとって、共同体の中でひとつのプロジェクトに挑戦するのは初めてです。僕は富山で10年以上シェアハウス運営を続けてきたというプライドもあって「シェアライフ富山が運営をやるしかないだろう!」と思っていました。ただ、創業支援棟と住居棟の2つの特色の違う建物を一括で管理することが求められている中で、誰かとチームを組まないと絶対に叶えられないと思いました。ちなみに、僕が独立する前から運営していた思い入れのあるシェアハウスの物件がバロンさんの管理物件だったというご縁があって、浅野さんと同じチームの一員としてプロジェクトに取り組めるのは感慨深いですね。 シェアライフ富山代表 姫野泰尚 富山県富山市出身。2009年オーストラリアより帰国後、地元不動産会社にUターン就職。同年、県内初のシェアハウスを市内にオープン。2014年、在職中に『合同会社シェアライフ富山』設立、当時シェアハウス5棟運営。2015年富山市に交流型ゲストハウス縁〜えにし〜開業と同時に独立。2017年「富山市ヤングカンパニー大賞」を受賞。県内を中心に多世代共生富山型シェアハウスを展開。 浅野:バロンでもこれまで指定管理事業を経験したことがありますが、今回の職住一体のプロジェクトは挑戦したことがない内容でした。実はSCOPのこの場所は、私にとって昔からご縁がある場所なんですよ。遡りますが、幼稚園の頃から小学1年生まで県職員住宅に住んでいました。思い出のあるこの場所で新しい挑戦ができるのは嬉しいです。プロジェクトマネージャーの相澤さんは聡明で信頼できる方ですし、頼もしいみなさんと共にそれぞれの役割をしっかりと果たせば、SCOPもおもしろい施設になるだろうと思いました。 株式会社バロン代表 浅野雅史 1967年富山県生まれ。中央大学卒業後、北陸銀行に入社。2000年に株式会社 北陸バロン美装(現バロン)入社し現在に至る。学生時代には会計学を学び、銀行時代には財務分析、与信判断等の案件に数多く関わる。バロンでは不動産事業、環境事業、介護事業、指定管理者事業など新規事業の立上げに携わる。 相澤:富山に訪れるご縁が出来てSCOPのプロジェクトの話を聞いたときに、創業支援施設の中に“住む”という要素があるのはおもしろいなと思いました。SCOPは複合的な施設なので、横串を通して考えて動ける人材が必要になってくるだろうなと思っていました。誰が運営できるんだろうねとみんなが様子を見ている状況の中で、頑張ってくださいで終わらせたくなかったんですよ。富山のみなさんと関わっていくうちに、私も横浜での経験やネットワークを活かして力にならなくてはと使命感を感じたんですよね。 合同会社plan-A TOYAMA代表 相澤毅 大手生活ブランド勤務を経て前職ではデベロッパーにて社長室に所属し不動産開発から海外事業におけるスキーム構築・広報P R・販売戦略・広告クリエイティブ・ブランディング・新規事業企画・商品開発・人材育成制度構築・産学連携など手がけ、2018年5月に独立起業。現在は不動産事業者や大手家電メーカーのコンサル、企業の事業開発参画、不動産開発事業、場のプロデュース、拠点運営、自治体とのまちづくりや創業支援、企業の取締役や顧問、NPO法人の理事等を手がけ、多様な働き方を実践している。 ー相澤さんは横浜を拠点に事業を手掛けられてきた中で、なぜ富山を選び新たに拠点を構えようと決心したのですか? 相澤:横浜の知人が富山にご縁があったことがきっかけで富山に訪れました。それから富山に何度も足を運んでいく中で「富山には住める」と思いました。風土の豊かさはもちろんですが、富山で出会った方々が魅力的でした。自分たちが儲けようというよりも地域をどうしていきたいかというお話しをされる方が多かったんですよね。SCOPのように、ひとつの組織では練り上げていくことが難しい複合的なプロジェクトを、富山ならみんなでつくりあげていくことができると感じました。SCOPを通して、私たちplan-Aも富山に根付いていきたいと思いました。 ー相県内外から素晴らしい実績と熱い想いを持ったみなさんが参画され、県庁のお二人はいかがですか? 山本:それぞれの熱量も役割も、バランスのいいチームだなと心から感じています。特に相澤さんの行動力が印象的でした。指定管理が決まる前から頻繁に富山を訪れていて、やる気と使命感に満ち溢れていました。熱心に富山県内のローカルプレイヤーに会いに行ったり地域調査に取り組んだりしている相澤さんが頼もしいなと感じました。 富山県創業・ベンチャー課 山本航大 富山県富山市生まれ。東京で民間企業に7年勤務したのち、今後の暮らし方を考え富山にUターン。2021年より富山県庁に入庁し、創業・ベンチャー課で起業支援事業に従事する。同時に公民連携を学びつつ、有志と共にとやま都市経営実行委員会を設立して、県庁前公園で「ケンチョウマルシェ」を開催。 野村:私はメンバーの中で一番長くプロジェクトに携わっています。最初は人手も少なく、ひたすらてんてこまいでした。県庁内に創業・ベンチャー課が誕生し、とてもエネルギッシュな共同体のみなさんも参画して、一緒に楽しく取り組める仲間がいるというのはとても素敵なことだなと思いました。みなさんのおかげで、一気にプロジェクトが彩られました。 富山県創業・ベンチャー課 野村慎太郎 当プロジェクトを設計、施工、運営準備、開所まで担当。職住一体というコンセプトを理解した上でプロジェクトを遂行するために、中小企業診断士と宅建士を取得し、課題に取り組んできた。好きな言葉は一日一善。 相澤:創業・ベンチャー課のみなさんは県庁職員らしさを良い意味で越境していて、チャレンジングな組織なのでプロジェクトを進めやすいですね。 姫野:運営メンバーの大半が子育て世代で、同じくらいの年齢の子どもがいる仲間が集まって仕事ができているのも楽しいです。野村さんが僕たちの運営するシェアハウスにお子さんを連れて遊びに来てくれたのも嬉しかったです。 フラットなチームワークが対話の様子から垣間見える ーみなさんが交わし合う笑顔から、プロジェクトチームの結束力の強さを感じます。共同体のみなさんはぞれぞれSCOP TOYAMAにどんな関わり方をされていくのですか? 浅野:バロンでは、みなさんが快適に住めるように建物の環境整備を担当します。個人的には創業支援の面でも元銀行員というキャリアや、バロンが長年富山で築き上げてきたネットワークを活かしてSCOPのみなさんのお手伝いがしたいです。新しくチャレンジしてみようと考えているみなさんの夢が実現できる場所にしていきたいです。 姫野:シェアライフ富山は、SCOPの共同生活のお手伝いをしていきます。住人同士が自主的にお互いを尊重しながら自分たちの暮らしを向上していくための知恵を出し合える空間を作っていくことが一番大切だと思っています。住居棟は入居が3年という時間の制限があるのですが、限られた時間の中でもSCOPを自分の居場所だと感じてもらえるようにしていきたいです。退去=関係人口が増えていくことだと私は考えています。今後、SCOPから関係人口がどんどん生まれていくと嬉しいです。 相澤:plan-Aは、創業支援と全体のディレクションを並行して担当します。ディレクションの立場として、プロジェクトを俯瞰した目線でもしっかりと見続けていくことが必要だと思っています。富山の中だけに留まらず、SCOPに関係していく人たちを県内外から増やしていくためにも、横浜と富山を行ったり来たりすることも大切だと考えています。また、創業支援棟のオフィスにplan-Aも入居を予定しており、運営側だけでなく利用者の目線でどう見えるだろうというところも、両方バランスをとりながら動いていきたいですね。 野村:富山工業高校生が描いたプランがプロジェクトとして動き出し、運営メンバーのみなさんも新しい挑戦の中でSCOPをカタチにしてきました。浅野さんが幼少期時代を過ごされたという驚きのお話しがありましたが、もともとこの場所にゆかりがある人もたくさんいらっしゃるんですよね。ゆかりのある人たちも、新しく足を運ぶ人も、多様な人たちが交流できる場所にしたいです。仲間と出会い、また帰ってこられるような環境をみなさんと共につくっていきたいです。 プロジェクトチームのメンバーがそれぞれのスキルを持ち寄って築き上げてきたSCOPの土壌。今後、SCOPに出入りするみなさんがどのように活用し、SCOPがどのように育っていくのかが楽しみです! 次回は、SCOPで叶えられる暮らしについてお届けします。 文:徳田琴絵(富山オタクことちゃん) 写真:北條巧磨
SCOP TOYAMAの成り立ち
SCOP TOYAMAの成り立ち
富山市蓮町の旧県職員住宅が、SCOP TOYAMA創業支援センター1棟、創業・移住促進住宅2棟として生まれ変わりました。 ここで紹介するのは、高校生のリノベーションプランをもとに、空き家棟となった旧職員住宅を改修し、「若者の夢と希望」という新たな命を宿す、そんなストーリーです。 第1章「役目を果たした旧県職員住宅」 富山市蓮町の旧県職員住宅 富山市北部の蓮町(はすまち)地域にある旧県職員住宅は、その供用を廃止し、財産の利活用を県政の課題としていました。 この地域は、国道や主要地方道、路面電車の蓮町駅、馬場記念公園からほど近く、富山駅から路面電車で約17分と、通勤や住まいに利便性の高いエリアです。 また、旧県職員住宅付近は、神通(じんづう)川や富岩(ふがん)運河、運河沿いの桜並木、馬場記念公園等、豊かな自然をはじめ、富山市北部児童館やテニスコート等、閑静でありながらも幅広い世代が楽しめる居住環境も持ち合わせています。 さらに、令和2(2020)年3月には、富山駅を起点とした路面電車が南北接続し、中心市街地や富山大学等へのアクセスが向上したほか、まちづくりの進む富山市の港町「岩瀬エリア」からも近いため、今後一層、交流人口の拡大が期待される、注目のエリアでもあります。 一方、この建物は職員住宅としての役目を果たし、供用を廃止して、現在は空き家棟となっています。県としても、この財産の利活用を課題としていました。 そこに、施設の未来を導く一筋の希望の光が差し込みました。 第2章「物語の始まり」 全国の高校生等が建築のアイデアやデザインを競う「建築甲子園2017」で、本県の富山工業高校の生徒さんが全国優勝を果たしました。 作品のテーマは「夢を描きながら住まうこと~地域を創るわかもん団地~」。(※わかもん=若者) 夢を描きながら住まうこと~地域を創るわかもん団地~アイデア 旧県職員住宅の活用を想定したもので、夢を追う若者が、シェアハウスやコワーキングスペース等での共同活動を通し、相互にアイデアや情報を交換しながら、新しい暮らしのあり方を築く、斬新で先進的なリノベーションプランでした。 富山県では、新規事業所の開業率の向上も政策的な課題としていましたが、起業家の活動拠点となり、多くのイノベーションが生まれる創造的な空間を整備することは、その取組みとしてもふさわしいものでした。 職員住宅としての役目を果たした建物に、若者たちから新たな命が吹き込まれ、「起業家や移住者をはじめとした、様々な方が暮らし・活躍する舞台へ」と生まれ変わる。 若者の創意工夫、そして夢と希望が詰まったプランを実現すべく、壮大な物語が始まったのです。 第3章「高校生の夢を現実に」 高校生のプランを実現すべく、公募型プロポーザルにて設計者の選定を行いました。 選定審査会を経て、夢の担い手として「株式会社仲建築設計スタジオ」が設計者として特定されました。 仲建築設計スタジオのプランは「暮らしを編む」をコンセプトとし、団地である特性を活かし、各棟間の繋がりを大事にしながら、地域の交流拠点として「ひと・もの・こと」の豊かな地域資源の循環、魅力的な生活やしごと、環境づくりを盛り込んだものでした。 いよいよ、夢のプランが現実に。物語が大きく動き出しました。 【外部リンク】株式会社仲建築設計スタジオ https://www.nakastudio.com/ 第4章「職住一体の新しい生活スタイル」 リノベーションで実現するのは、創業支援センター1棟、創業・移住促進住宅2棟です。 仕事と住まいを融合させ、そして地方への移住を促す、職住一体の新しい生活スタイルといえます。 施設では、様々な機能を用意する予定です。それぞれのライフスタイルに合わせ、多様な用途でご利用いただけます。 創業支援センター 「コワーキング」や「シェアオフィス」など、起業家の創業形態や規模、成長段階に対応した多様なオフィス空間。 創作活動やワークショップなどに利用できる「アトリエ」、「ラボ」。 独立間もない方が挑戦できる、カフェ等の短期契約の店舗「チャレンジショップ」。 地域の皆さまにもご利用いただけるよう、1階は店舗やイベントスペース等の開放的な空間として配慮しています。 創業・移住促進住宅 移住者が快適に住まう「アパートメント」(1LDK相当、28室) 夢や希望を持ち寄り共同生活する「シェアハウス」(32室) 居住者なら誰でも使える「シェアリビング」等、設備の充実した共同空間 改修にあたっては、耐震性や給排水等の設備更新にも配慮しています。 第5章「夢のバトンをつなぐ」 プランを提案した生徒さんは、すでに卒業されたのですが、先輩の意思を継ぎ、富山工業高校生の在校生がワークショップに取り組んできました。 創業支援センターで使用する家具(イス)や照明、グラフィックデザインを想定し、 「こんな建物になったらいいな」 「このような方に利用してもらいたいな」 という思いを自分たちの手で創り上げられるよう、何度も試作と議論を重ねてきました。 現地を見て学び、 製作と検証、議論、そして試行錯誤を繰り返し 完成した作品がこちら。 高校生とは思えない技術力の高さにビックリです。 これらの作品は、立山や富山湾をイメージしたもので、創業支援センターのカフェ店内で実際に使用しています。 製作したイス 製作した照明(左:城端(じょうはな)絹、右:五箇山(ごかやま)和紙を使用) 製作した壁面グラフィック(施設内の壁面に施工) ワークショップの製作発表会の様子はこちらから視聴できます。 令和4(2022)年2月4日、高校生ワークショップ製作発表会 https://www.youtube.com/watch?v=CE_TCRGw7TI 【外部リンク】仲建築設計スタジオをはじめ、ワークショップにご協力いただいた皆さま 藤森泰司アトリエ https://taiji-fujimori.com/ 岡安泉照明設計事務所 https://www.ismidesign.com/ ちえのわデザイン https://chienowadesign.com/ 第6章「ここからはじめる。つながる。」 令和4(2022)年4月、3棟の愛称が決定しました。 愛称は「SCOP TOYAMA」(スコップ トヤマ) 起業や移住に挑戦し、新しい何かを「はじめる」、そして施設に集う方が、出会い、「つながり」、新しく、そして魅力的なコミュニティを生み出す、そんな理念を愛称にしました。 愛称は高校生とともに考え、覚えやすく、親しまれ、そして洗練されたものを目指しました。 ロゴマークには、いわゆる「スコップ」のマークが見られます。 新たな自分や、新しい出会いを「ここから掘り起こそう」という想いも込められています。 第7章「夢のバトンを未来へ」 創業支援センター、創業・移住促進住宅は、令和4(2022)年10月28日にオープンしました。 入居の案内や利用者の条件等は、こちらの公式サイトにて発信していきます。 地方へ移住をお考えの方、共同生活を通して仲間を作りたい方、起業したいという方、そして「やっぱり富山が好きだ!」という方。 皆さんをお待ちしています。
創業・移住促進棟の西棟コンセプトを紹介
創業・移住促進棟の西棟コンセプトを紹介
「働く、学ぶ、遊ぶ、寝る」がオールインワンの「チャレンジャー共創型」シェアハウス&アパートメント 仕事を中心に日々の生活をデフラグ(最適化) SCOP TOYAMA西棟は、「職住一体」のメリットを最大限に感じられる住居です。 個室で自分の時間や空間は確保しつつも、「コモンキッチン」、「コモンダイニング」、「ワークスペース」、「ホビースペース」という4つのシェアスペースを好きに使い分けることが出来、さらには創業支援センター棟内のコワーキングスペースの利用料が無料というのも西棟入居者だけの大きなメリットです。 入居者の一人一人が自分が過ごしたいよう過ごせるようにそれぞれのスペースに対して目的を設け、居心地の良い空間とほどよいコミュニケーションを設計しています。 SCOP TOYAMA西棟は、特に仕事を大事にしたい地方移住希望者や起業・創業をお考えの方におすすめの物件です。 設備や共用部は、ひとり暮らしでは実現できない充実度。特にパソコン1台で場所にとらわれず働くライフスタイルには、作業場所を選ぶ楽しみがあり、同時に日々の作業効率を最適化します。 日々の業務を一人黙々とこなす人、駆け出しの起業家やフリーランスにとって、コモンリビングやキッチンでの息抜きの時間は、この先のかけがえのない仲間たちとの出会いになるかもしれません。
創業・移住促進棟の東棟コンセプトを紹介
創業・移住促進棟の東棟コンセプトを紹介
持ちつ持たれつ共生する「多世代交流型」シェアハウス&アパートメント 「多世代 × 共生 × とやまで暮らす。」 SCOP TOYAMAの東棟は、多種多様な人たちが「持ちつ持たれつ」共生する多世代型コレクティブハウスです。 SCOP TOYAMA東棟での暮らしは、多世代が共生し、互いの「距離感」「多様性」を尊重する”ちょっとおせっかい”が自然な日常です。 日々の「当たり前のこと」を、今よりちょっと、丁寧に味わう。 衣食住を、時間を、場所を、みんなでシェアする。 それぞれが持っている好きなこと・得意なことを持ち寄り、この場所に集う一人ひとりの「豊かさの種」をみんなで育ててわかちあう。 持ちつ持たれつ共生する日常が、当たり前に流れる場所でありたいと思っています。 そのため、東棟では「対話すること」「余白を味わうこと」を大切にします。 住人みんなが自由に使えるキッチン・リビング・テラスといった広々と自由度の高い共用スペースをはじめ、手作業・手仕事の「やってみたい!」を実現する家庭菜園やDIYスペース等々、日々の暮らしが楽しくなる空間を設計しました。 交流イベントも開催できる垣根のない環境も、東棟の魅力です。 生活面では、北欧のコレクティブハウスではお馴染みの「コモンミール」を導入。 月に1度、同じ食卓を囲む機会はコミュニケーションがちょっと苦手な人でも大丈夫。互いの距離感を大切に、一人一人が無理なく共同生活に溶け込める空間をめざします。 多世代型シェアハウスならでは「住人みんなで伸びしろを味わう」「無理をしない暮らし」を一緒に楽しみましょう。 「コレクティブハウス」はスウェーデン発祥の、同じマンション内で多世代・多世帯がそれぞれのプライベート住居スペースを確保しつつ、コモンリビングやキッチンで協力しながら暮らす文化です。